断酒後の葛藤

 断酒をして、一番お酒を飲みたくなるのは3日後ぐらいでしょうか。自分の心の中で葛藤が生じます。

 「昨日はやめたんだから体調も戻ってきているし今日は良いのでは」「酒は少量なら体にも良いんだったよなあ」「まだ残っているのがあるから少しだけでも飲むか」「今日のおかずはビールが合いそうだなあ」「やめたと言ったって、自分で決めただけだし」「医者だって少しぐらいなら良いって言っていたし」

 まあとにかく様々な言い訳が頭の中を巡り、だんだんと「酒を断とう」と決心した心と、「少しぐらいなら良いんじゃないかな」と思う心に偏りが生じ、最後は「ま、いっか」となって、断酒の決心は雲散霧消となります。

 私自身はこんなことを過去10回以上繰り返していると思います。そうして3日から一ヶ月ぐらいやめて、改めて飲み出すと、またこの味がいいんですね。

 しかし再び飲み始めてその味に感動するのは二日か三日ぐらいで、後は惰性で飲み続け、いつしか酒量ももとの状態に戻っていきます。

 気がつくと、寝入りは良くても朝方妙に早く目が覚めて眠れなかったり、やたら体がだるくて朝起きずらかったりという、以前の症状に戻っています。それが分かっているのにやめられないのは、やはり依存症の傾向が強いんだと思います。

 一方昨年10月から今年3月までやめたときは、これは本当に自分自身の健康状態と精神状態に危機を感じたから出来たことであって、逆に言うとかなり追いつめられていたということですね

 確かにやめて三日後から一週間あたりが一番飲みたくなる時期で、それを越すと徐々に欲求が下火になってきます。また夕食前後に素面でいることによって、夜ちょっと車で出かけたりすることも可能になるなど、メリットもありました。

 一ヶ月後ぐらいにまたそろそろきりが良いから、と勝手な理屈をつけて飲みたくなりましたが、これも将来を考えろ、と自分を励まし、なんとか乗り越えました。そこから先は楽だったように思います。 

 年が明け3月になり、早期退職が決定し、様々な手続きが終わり歓送迎会が催されるようになりました。私自身もこれからは仕事のストレスが大幅に減るから、そろそろ飲んでも良いだろう、という気持ちになっていました。

 結局歓送迎会で軽く飲み、、自宅では飲まない日が続きましたが、あちこちの部署で行われる歓送迎会と自分自身の慰労を兼ねての個人的な旅行に行くにあたり、徐々に飲酒習慣が復活。

 結局断酒は6ヶ月で終了しましたが、まあ本気になれば一応やめることは出来るんだなと言う確信を持つことは出来ました。その後3ヶ月経った6月現在、今日も少し飲んでいますが、酒量はこれまでよりかなり少なくなりました。


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