喫煙率減少の数値目標(2012.6.14)

 ちょっと前の話になりますが、6月8日に政府が喫煙率低減の数値目標を盛り込んだ「次期がん対策推進基本計画」を閣議決定したというニュースが配信されました。

 内容は、10年の調査で男性の喫煙率が32.2%、女性の喫煙理が8.4%、合わせて19.5%だそうで、この中で「たばこをやめたい」との回答者が37.6%いるそうで、その分を差し引くと全体で喫煙率は12.2%になるため、目標値を12%にしたという、なんだか世間に迎合した弱気の数値内容になっています。

 私自身も20代の頃に、1日10本程度吸っていましたので余り偉そうなことはいえませんが、厚生労働省が健康のためにと真剣に考えているなら、この数値目標はもっと小さな数字になっても良いような気もします。

 ただこれまでは出されなかった数値目標が今回曲がりなりにも出てきたということは、次々と政策が変更になる民主党政権の中にあっては、多少賛成できる決定だとは思っています。

 特にこれほどタバコとガンの関係や受動喫煙の関係が取りざたされているのに、これまでパッケージに「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります」というような警告文を小さく掲載することだけで誤魔化してきた、これまでの政府の姿勢に比べれば、大きな進歩だとは思います。

 喫煙するかしないかは自由である、というのは喫煙者にとってはもっともな言い分だと思いますが、受動喫煙のリスクや、自分自身がガンになるリスクがはっきり分かっているわけですから、喫煙者の方には申し訳ありませんが、喫煙者の保険料は高くするとか、ガンになって受診した場合の医療費も高く設定するというような法律があっても良さそうな気もします。

 一方この報道に対して、日本たばこ産業は「たばこは合法な嗜好(しこう)品であり、喫煙するかしないかは、個人が健康への影響を勘案して判断すべきもの」として、きわめて残念というニュアンスのコメントを出しています。

 たばこを販売して儲けている会社のコメントですから、ある意味当然かなという気もしますが、このコメントは、国民の健康については、本人の嗜好の問題であり、我々売る側にはなんら責任はない。勝手に吸って勝手に病気になっても、それは本人の問題であるという、無責任体質を表しているような気がします。

 最近は、脱法ハーブのことが問題になっています。吸いすぎて酩酊状態になり、自分自身の健康や他者への影響があるということで、取り締まり強化が叫ばれていますが、基本的に毒物に近いたばこの影響も似たようなものだと思います。
 
 かたや脱法、かたや合法と名前が付いているだけで、個人の嗜好により利用しているわけで、もちろん脱法ハーブの取り締まりは強化すべきだと思いますが、同時にたばこの健康被害についても、もっとPRすべきだと思います。

 たばこは個人の嗜好だという理由で売る側の罪は問われず、脱法ハーブは取り締まりの対象になり逮捕されるというのが不思議です。 もちろん脱法ハーブが取り締まりの対象になることに依存はありませんが、だったらタバコだって・・・と思えてしまいます。



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