読書時間減少で思考力も減退(2012.6.4)

 【「インターネット」時間が思考力を奪う】という記事が今日の夕方、毎日新聞より配信されました。内容を簡単に要約すると、ネットの活用、それもツイッターのような短文字での情報交換が多くなったため、深く考える必要がなくなり、思考力が衰退しているのではないかという警告です。

 そもそも人間の知識はどうやって得ているのかというと、日本人の場合は日本語です。言葉の定義をきちんと行い、その言葉を使って様々な事象や知識を説明し、必要に応じて画像で補完する、と言うのがこれまでの知識でした。

 しかしこの記事が指摘しているのは、カーナビの発達により、住所を入力すれば勝手に道案内が行われるので、地図を見る習慣がなくなり、地理的な感覚が衰えたり、また携帯電話の普及で相手の名前さえ分かれば電話番号は覚える必要がなくなったため、覚える努力をしなくなったというようなことです。

 携帯電話からスマホの時代になり、どんな場所ですぐに知りたいことが手軽に分かるようになりましたが、それらの知識は表面的なもので、本当の思考力を養うに至っていない、と言うのが記事の趣旨かなと思います。

 どこまでが正しいのか、私にもよく分かりませんが、読書をする人が減ったなという印象は持っています。

 今から45年ぐらい前から20年ぐらい前、私の高校時代から就職して15年ぐらい経った頃まで、電車に乗るとほとんどの人は暇つぶし?に新聞か本を読んでいました

 今私はたまにしか電車に乗りませんが、本を読んでいる人は10人に一人いるかどうかではないでしょうか。半数ぐらいの人は携帯を見ています。新聞を読んでいる人も極端に減りました。

 昔身動きもとれないような車内で、小さく新聞を折りたたんでみていた人が大勢いましたが、今はほとんど見かけません。これでは思考力が衰え、創造的な活動が出来ない人が増えるのもあたり前かなとも思えますが、諸外国に比べてどうなんだろうと思い調べてみました。

 すると、少し古い統計のようですが、1週間に活字媒体を読む時間はインドが10.7時間、タイが9.4時間、中国8時間、フィリピン7.6時間、エジプト7.5時間だそうで、調査した30カ国中の下位五カ国は、韓国3.1時間、日本4.1h、台湾5時間、ブラジル5.2時間、イギリス5.3時間だそうです。

 日本はブービー賞ですが、どうも活字離れは顕著なようです。

 私の仕事は教員なので、こういった傾向は20年ぐらい前から徐々に感じています。最初はテレビの影響でした。しかし最近は携帯メディアの影響が大きくなっています。

 その結果学校現場ではどういった授業が多くなったかというと、一問一答、穴埋め方式が増えました。「どうしてこうなるんだろう?」と呼びかけても、「早く答を教えてよ」となり、教えると「それを覚えればいいんでしょ」ということになります。

 そういった授業が繰り返されていくと、そこには知識に関する疑問や関心を持つ事がなくなり、教えられたことを覚えるということだけが強調されるようになります。

 私はこのブログで健康問題をいろいろ書いていますが、基本的には何故という部分から出発して、だからこうした方がよい、というふうに書いているつもりです。

 しかし、最近の健康に関する広告等を見ていると、血圧にはこれこれがよい、アトピーならこれを使おう、腰痛だったらこの健康器具、というように、ともかくそれを使いさえすれば状況が良くなるというアピールが多いです。

 面倒ですが、業者の言葉を鵜呑みにするのではなく、きちんと自分で活字を読んで判断しなければいけないと感じています。



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