糖質代謝は進化のたまもの

進化の過程から考えた「糖尿病」(2014.3.27)


 本日3月27日の毎日新聞の「くらしナビ」というページの中に「鈴木隆雄のシニアのための健康術」という記事が出ています。

 今日の題名は「糖質過剰時代の心得」というものですが、内容が進化論からの話しなので興味を惹かれました。

 そもそも進化というのは、その時その時の環境に最も適応できた生物が生き残って反映するという、適者生存の原理によるものだとされています。

 これは生命誕生から現在までの進化の歴史を振り返ってみれば、「なるほどなあ」と納得できるもので、簡単に言えば、この先温暖化がますます進めば、そういった環境に適した生物がより発展し、もともと涼しい環境に生息していた生物は、絶滅の危機に瀕するというものです。

 (最近は日本の沿岸でも熱帯魚が見られるようになり、一方でホッキョクグマは絶滅の危機に瀕しているようです)

 その場合人間はどうなるか、と言うことに付いて考えるのも良いのですが、さすがにそれではテーマが大きすぎます。この記事では人間の糖質代謝のメカニズムについてまとめられています。

 人間が人間として生き始めたとき、最初に食べていたものは果物や木の実類、あとは根菜類ではないかと記事に書かれています。

 一方環境の変化や気象条件によって、これらの収穫物は常に一定量得られるものではないという条件があります。

 ということは、ある程度エネルギーの源になる糖質が得られたとき、もし少しでもその量に余裕があったら、それを体内にためておくと、足りなくなったとき使えるというメリットがあります。

 その糖質を貯めるメカニズムが、実はインスリンというホルモンで、これが分泌されることによって体内の糖分が中性脂肪に変化し、体内に蓄えられるということのようです。

 つまりインスリンというのは、糖分を中性脂肪に変化させ、体外からの糖分摂取が不足しエネルギー不足になったときに、これを再びエネルギー源にするという目的を持ったホルモンだと言うことです。

 ところが人類自身の知識により、現代生活では飢餓に陥るようなことはほとんど無くなり、一方で常にエネルギー源としての糖質が体内に入ってくるようになりました。

 するとその糖質を一生懸命中性脂肪に変えようとして、インスリンがどんどん分泌されるわけですが、その能力以上に糖質が入ってきたり、インスリンを分泌する機能そのものが衰えたりすると、糖分が血液中に過剰となり糖尿病になるということです。

 逆に言えば人間の体はもともと少量の糖分があれば、それをうまくコントロールして利用する機能が備わっていると言うことです。

 つまり当たり前ですが、基本的な朝昼晩の三食をがっちり食べ、さらに甘いおやつを食べてしまうのは、自分自身でせっせと糖尿病を作り出す原因を作っているということになります。

 私は幸いにそれほど甘党ではないので、これまで糖尿病とは縁がなかったように思いますが、記事を読んで、あらためて腹八分の重要性を認識しました。


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