性格や気質は遺伝なのか?

晴れた日は気持ちがいいのは遺伝?(2014.6.15)


 昨日から、朝は青空が広がるようになり、気持ちも天候につられるように晴れやかです。人間の心理は、間違いなく天候と相関関係にあるなと思えます。

 もしかすると、遠い遠いご先祖様が、晴れの日は狩猟に出かけて獲物を得たり、畑から収穫物を取り入れたりしていたため、喜びの記憶が遺伝子の中に刻み込まれているのかなという気がします。

 高校ぐらいの生物では、メンデルの遺伝の法則というのを勉強しますが、これは親の形質が子どもに対してどのくらいの割合で受け継がれるかというような法則をあらわしています。

 私はこの遺伝分野の生物の授業では、背の高いお父さんと背の低いお母さんが結婚して、子供が4人生まれると、その子どもたちの3人は背が高くなり、一人は背が低くなるんだということを、生徒が具体的に分かりやすいだろうと思い冗談半分に説明したりしています。

 ただし、実際の形質は様々な要素が複雑に絡まっているので、必ずしも3対1にはなりません、ということも必ず付け加えています。

 しかし、それはそれとして、例えば冒頭の、快晴の青空を見ると、なんとなく心がうきうきするというのは、どうやって受け継がれているのだろうかとか、それとも生まれてからこういった気持ちを獲得したのだろうかと考えると、なかなか遺伝も複雑です。

 しつこいようですが、生物の授業では、男性の精子の中でもっとも元気で精力的な精子が、女性のこれまたもっとも優秀な卵子と結合して受精卵となり、その後は細胞分裂を行っていくことを教えます。

 しかし面白いことに、最初の受精卵は卵割と呼ばれる分裂をします。それは1個の受精卵の限られた大きさの中で、小さな細胞がいくつも出来ていくという過程です。

 そしてこれらの卵割が正常に終了すると、何故かたくさん出来た小さな細胞のそれぞれが、あるものは神経となり、あるものは皮膚となり、あるものは骨格となって細胞分裂を始めます。

 つまり卵割段階では、それぞれの小さな細胞が何に変化していくのかわからないのですが、それが何らかのホルモン等の作用に寄り、いつの間にか機能が分かれていくということです。

 生物学的には分化と呼ばれていますが、この分かれていく前段階の細胞を人工的に作り出せれば、それが今問題になっている万能細胞になるのかなt思っています。

 一方、分化後神経となった細胞の一部は、さらに分化して脳を形成するわけですが、このときどうやってご先祖様の性格や習慣、考え方といった抽象的な部分を継承するのかというのが、ひじょうに不思議です。

 この子は親に似て気が短い、なんてことをさりげなく言うことがありますが、では気が短いという抽象的な概念をどのようにDNAが継承しているのか?

 ちょっと深く考えていくと、生物というのは実に不思議だなとあらためて考えさせられます。

 なお今日の記述内容については、生物学の専門家からすると「認識が間違っている」と思う方もいるかもしれません。専門外の分野なので、その可能性は充分あります。それも含めて、親から子への遺伝は不思議だなという認識でご理解いただければ幸いです。


NHKのドクターG 


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