健康寿命、平均寿命、平均余命
(2012.6.3)

 厚労省が初めて「健康寿命」を推計し発表しました。 健康寿命の定義は、「介護の必要がなく健康的に生活できる期間」というのが定義のようですが、以前から言葉だけは存在していました。

 結果ですが、男性は約70.4歳、女性は約73.6歳ということです。この年齢になった瞬間に介護を必要とする、と言うわけではなく、実際にはじわじわと老化が進み、足腰が弱くなり、食欲が減り、各種の病気を抱え、少しずつ生きる気力が萎えてきたその先に、介護という厳しい現実が待っているのかなと思われます。

 一方日本人の平均寿命は2010年の厚労省の統計で男性が約79.6歳、女性が約86.4歳で、男性は0.05歳伸び、女性は0.05歳減ったそうです。

 この数値は世界の中で第一位で、原因は食生活や医療の発達、そして私が個人的に感じるのは、人口密度が高いことによるコミュニケーションの多さではないかと思っています。

 つまり簡単に言えば、共同体として生活するという昔ながらの生活習慣により、自分自身の存在価値を常に見いだせるという、精神的拠り所があることが大きいのではないかと思っています。

 ただ最近そういった風潮が、40代以下の若い方の中で徐々に衰退しているのではないかと思われることが心配です。自殺率の多さや、若者のコミュニケーション不足は、今後の平均寿命にも影響すると思われます。

 寿命については、平均余命という考え方もあります。これは自分自身の年齢から考えて、そこから先何年生きられるかという数値です。この数値で0歳に該当する人の平均余命が、平均寿命に一致します。

 私の場合ですが、60歳(実際には59歳ですが)の年齢で、男性の平均余命は22.9年となっていますから、83歳近くまで生きられることになります。

 つまり59歳まで生き延びたんだから、あと23年弱、平均寿命より3年ほど長く生きられる可能性が高いということで、昔から虚弱体質と言われ、きっと早死にするに違いないと思っていた私にとっては、俄には信じられない数値です。

 一方健康寿命は約70歳ですから、あと11年ぐらいは何とか自分だけで自立して生活していけるという予測が出来ますが、その後の13年間は、いろいろな人の手を借りないと生活できないと言うことになり、「え〜、13年もそんな生活が続くのか」と思うといささかがっくりです。

 またあと11年は自力で動けると言うことならば、逆にこの間を充実した生活にしないといけないなという気にもなります。では何をするか。

  しかし、元気にがんばれるのが11年、その後介護等を受けながら生きていくのが13年というのは、ちょっと長すぎる気もします。

 そんなときに出てくるのが先日も書いた「欲」ではないかと思います。食欲、睡眠欲、性欲、名誉欲、生存欲、その他諸々あると思いますが、これが減退すると老化も一層進むような気がしています。



健康寿命と平均寿命


健康寿命を伸ばす


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