アミラーゼの働きと健康寿命(2013.5.12)
中学や高校で行うアミラーゼの実験は、人体の唾液で行うことに嫌悪感があるときは胃腸薬を使ったり大根おろしを使ったりすると良いようです。
逆に言うと胃腸薬や大根おろしの成分にはアミラーゼが含まれていると言うことで、これらを経口摂取することによって胃腸が良くなるというのは、唾液の代わりにもなっているということです。
ではこのアミラーゼというのはどんな働きがあるのかというと、ひも状に長く繋がったデンプン分子の鎖を切り、小さな分子の糖に戻す働きがあります。(小さな糖分子が長くひも状に繋がったものがデンプンであると言うことも出来ます)これによって腸で吸収しやすくするわけです。
従って小学校あたりでは、芋やご飯を食べて実際に何回も噛み砕いていると徐々に甘く感じるようになる、というような実験を行っていることもあると思います。簡単な実験ですから、夕飯の時にでも試してみれば良いと思うのですが、実際にはなかなか甘くならないような気もします。
ちなみに最近の科学では、この唾液中の「アミラーゼ」含有量によってストレス度が分かるという面白い現象も知られています。
人にストレスがかかると、このアミラーゼの量が増えるそうです。そもそもストレスとは緊張したり、闘いの準備に入ったときに感じたりするものですから、もしかしたら闘いの前に食べ物をたくさん食べても大丈夫なように体が準備をするのかなとも思えます。(私の解釈です)
一方リラックスした状態では、このアミラーゼの値は下がることも分かっています。
だとすれば、是非今の自分のストレスの状況を知りたいと思う方もいるかもしれません。しかしアマゾンや楽天で調べてみると、測定器は25000円前後、ちょっとしたモニター試験紙みたいな器具が4000円前後します。しかも精度についてはよく分からないので、ここでは紹介しません。
本題とは違った話で申し訳ないのですが、もしストレスを感じているなら、こういった機械を購入して、「やっぱりストレスがあるんだ」と確認するより、すぐにちょっと出かけて散歩でもした方が良いような気もします。
話を戻して、唾液中のアミラーゼではなく、採血時に血液中のアミラーゼを測定することもあるみたいですね。私の過去の健康診断データを見てみたら、血中アミラーゼという項目がありました。
40から120ぐらいが標準値ということになっているようですが、私は15年ぐらい前の値ですが60前後でした。実はこの時期は仕事の方がかなり落ち着いていた時期でした。
唾液中と血液中のアミラーゼの量が比例関係にあるのかどうかは分かりませんが、まあ普通に考えれば、唾液も体液の一種ですから、片方が高い値なら、もう片方も高くなる気がしますので、この値が低くなっていると言うことは、この頃ストレスは少なかったのかなと思われます。
というわけでアミラーゼの働きはデンプンの分解ですが、その量はストレスの量によって変動するということが分かりました。ストレスによって、過飲過食になることも多いわけですが、そういった場合でも体の中できちんとそれに対応した準備が出来ていると言うことでしょうか。
しかし出来れば不要なストレスは少ないに越したことはないわけで、そういったときは少量の食べ物でも充分満足でき、無理矢理多量の消化酵素を分泌する必要がないということで、それが健康寿命を伸ばすのかなとも思えます。