舌の働きと味覚の衰え(2013.5.14)
口の中にあるもので健康に関連しそうな重要な器官は、歯と唾液だと思いますが、舌の働きはどうなっているんだろうということも気になります。
調べてみると
@ 味覚
A 食物の混合
B 食物の嚥下の補助
C 言葉の発生
等の機能がありそうです。味覚については、昔の生物の教科書では、場所によって感じる味覚が違うというような記載もありましたが、今は基本的にそのような場所による変化を明確に区別して教えてはいません。
感じる味覚も甘味、苦味、酸味、塩味の4つが基本になり、それに旨味というのが加わっています。またそれ以外の、山葵等による刺激は、味覚全体やそれ以外の嗅覚も総動員された、総合的な味覚として考えられています。
この味を感知する細胞が、舌の表面に分布しているわけですが、それを「味蕾」と呼び、その構造を見るとタマネギのような恰好をしています。ウィキペディアによれば、人間の舌には約10000個の味蕾があるそうですから、舌の面積を仮に10×10=100cm2とすれば、1cm2あたり100個あることになり、要するに1mm毎に味蕾が並んでいると言うことになりそうです。
味覚は当然食べるものによって生じるわけですが、残念ながら加齢やたばこ、刺激物によって徐々に衰えていくそうです。しかし自分の味覚が衰えたかどうかを知るにはどうしたらよいのか。
衰えは徐々に進むはずですし、10年前20年前の味覚は?なんていう記憶もありません。せいぜいが昔より山葵を多く付けないとツンと来なくなったとか、コーヒーに入れる砂糖の量が増えたというような事でしか分からないような気もします。
なんかうまい方法はないのかと調べてみると、まず加齢によって低下する味覚は塩味が最も顕著であると言うことが分かりました。だいたい50歳ぐらいから衰え始めるらしいです。
ということは味噌汁等を作って家族で食べるとき、子どもが「しょっぱすぎる」と苦情を言うようになったら、味覚が衰え始めている証拠なのかもしれません。
先日私は冷凍のフレンチフライを作り、出来上がった後に塩をふりかけてビールのつまみにしてました。それを食べた息子曰く、「しょっぱすぎない?」。ということで、どうやら私も塩味の味覚が衰えつつあるようです。
一方苦味や酸味はそれほど加齢で影響はないということです。そういえば我が家の母親もいつの頃からか、煮物の味が濃くなり、コーヒーに入れる砂糖の量も増えていたような気がします。
単なる嗜好の問題かと思っていたのですが、味覚自体が衰えてきた証拠だったということのようです。若いときに食べた鮮烈な目玉焼きの味や、ビールの味を今でも時々思い出すことがありますが、今それを味わえないのは、食べ物の味が変わったのではなくて、もしかしたら味覚そのものが衰えたためかもしれないと考えるとがっかりです。
しかし加齢ならやむを得ない部分もありますが、最近は若い人の中に、唐辛子を山のようにかけるといった事を平気でする人もいるという事ですから、事態は深刻のような気がします。