ウォーキングの思わぬ効果

 血圧が上がり、どうやら薬を一生飲み続けなければならないと分かったときはショックでした。だからこそ食事の中味を考えたり、食材そのものを厳選したりしましたが、年齢と共に血圧はじわじわ上昇していく感じでした。

 そこで血圧上昇を少しでも押さえるためと、間接的な要因となっているストレスを減らすためにウオーキングをするようになりました。もう10年ぐらい前のことです。

 しかしもともとスポーツや根性とは無縁の私ですから、最初の頃は歩けるときに歩けばいいやぐらいの気持ちしかありませんでした。だいたい仕事しながらウオーキングなんて無理だよなあ、というのが自分への言い訳です。

 ところがどうゆうわけか、というか当然というか、年齢と共にますます早起きが得意になってきて、朝は6時にはばっちり目が覚めていることが多くなり、これまた幸いにも通勤時間が片道30分になり、うまく朝の時間をやりくりすれば、結構歩く時間を作れるようになりました。

 しかも自宅近くには自然の川が流れ、その河川敷も市の肝いりでウオーキングコースというか、自然観察路みたいなものが整備され、ますます歩く環境が整ってきました。

 というわけで、歩かねばならないみたいな気負いもなく、気軽に歩ける周辺環境が整い、自然に朝起きると、朝食前にちょっと散歩、という習慣が出来ました。

 歩き始めると、これがなかなか気持ちが良いです。常に会う人もいたりして、なんとなく朝からなごやかな雰囲気になります。

 家に戻ると、朝食もおいしく感じられます。なんとなくさわやかな気持ちで出勤することも出来ます。これはたしかに気持ちが良いぞ、と思うようになり、自然に習慣化していきます。唯一の欠点は、やはり時間でしょうか。

 自宅近くの私のこの散歩コースは、行って帰って約3km。時間にして30分ぐらいかかります。職場の同僚にこのことを話すと、だいたい「朝は忙しくて、とてもそんな余裕はない」と笑われてしまいます。

 私だけがそれほど時間の余裕があるのかなとも思いますが、本当に気持ちが良いです。ただし真冬は歩いていません。歩いて楽しくなりそうなときだけ歩く、というのが続ける秘訣のようです。

 高血圧とストレス解消を意識して始めたウォーキングですが、しばらくして思わぬとところに良い結果があらわれました。

 先ずウエストが細くなりました。私は身長が172cmぐらい。体重がもっとも重いときは67kgぐらいありました。普通なら標準体重と考えられる数値ですが、20代の就職したての頃は55kgを切っていましたので、とんでもなく増えたなあという印象です。

 増えた原因はストレスによる過食と飲酒です。特に飲酒の影響は大きいと思います。職場の誰かが思ってもみないことを言う事があります。「くそう、なんだあの言い方は!」とか「どうにもならないなあ」というような腹立たしさや愚痴が増え、帰宅後の酒量が増えます。

 普通ならビール大瓶1本と焼酎の水割り2杯ぐらいですみます。ところが(これでも多すぎる、と言われますが)、大瓶が2本になり、焼酎水割りも食前から寝る直前まで飲み続け、最盛期は5杯、6杯と増えます。

 かなりの酩酊状態でベッドに潜り込み、酒の勢いで寝るみたいことの繰り返しです。しかも食前からつまみもばくばく食べ、さらにメインのおかずとご飯を食べるとなれば、太らない訳がありません。

 就職したての頃のウエストは、たぶん73cm前後のガリガリ状態だったと思いますが、15年ぐらいかけて86cmぐらいまで増えました。体型的にも、最初はやせ形だったのが、長方形のような体になり、徐々にビヤ樽状態に近づいていました。

 そんな状態から始めたウォーキングですが、夏場はどんどん歩いたので、数ヶ月もするとズボンが緩くなることに気がつきました。しかし冬場になり、焼酎のお湯割りなんぞをぐいぐい飲んで、歩かないとまた振り出しに戻ります。

 それで気がつきました。「そうかあ、ウォーキングはウエストを細くする効果があったんだ」。ウォーキングの効果を初めて実感した感想です。



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