厳密に下げても効果はあまりなさそうです

2011.12.13 薬で下げる血圧の目標値

 高血圧関係のニュースで注目すべき物があったのでここに概略をまとめます。参照先は「ミクスOnline」というサイトで2011年10月26日に発表された「高血圧学会リポート」によるものです。

 これによると、家庭内血圧を薬剤により降圧するのですが、その降圧目標値を二群に分けたと言うことです。一つは135/85、もう一つが125/80という群に分け、これを5〜9年に渡追跡調査をしたというものです。対象者は5000人以上です。

 135/85というと、現在私が冬場での降圧目標にしている値で、このぐらいなら体調が良いことも分かっていますので、かなり関心を持って読ませてもらいました。

 結果ですが、先ず第一点。135/85の方が目標達成率が高かったというのが一つ。これは私も感じていることですが、特に冬場は下の血圧がなかなか85以下には下がってくれません。だいたい85〜90ぐらいが多いようです。

 また上の血圧も、冬場は130を切るのは希です。この辺りは、あまり下げすぎると体内の血液循環が滞るために、自動的に体内の恒常性が発揮され、下げすぎを防止するメカニズムが働いているのではと思うこともあります。

 要するに薬だけでは、低い方の数値目標を達成するのは難しいと言うことです。

 第二点は若干うれしい報告ですが、この二つの群において、脳卒中+心筋梗塞+脳心血管死亡の発生率は差がなかったという物です。つまり無理に降圧剤を増やして、85から80に下げる必要はないと言うことを示唆しているように思えます。

 実際この両群では、期間中に死亡した方がいたようですが、その発生率は1000人中3人だったということで、差がなかったという結果が出ています。ただ1000人中3人も高血圧が原因で死亡したのかと思うと、心中穏やかではありません。

 以上をまとめて高血圧患者側の視点で考えると、何も努力しないで薬だけで血圧を下げる場合の目標値は135/85であり、さらにリスクを減らすために(このレポートでは減らないという結果も出ているようですが)もう少し血圧を下げたい場合は、これまで書いてきたように、運動やストレッチ、ストレス軽減といった処置が有効かなと思えます。



足のしびれと高血圧


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