ビタミンCで血圧が下がる(2012.6.5)

 ビタミンCに降圧効果があることが明らかになったという記事が配信されてきました。5月25日の記事です。

 これはアメリカの研究のようですが、これまでは噂?でしかなかった降圧効果を、いろいろな研究をとりまとめ、正式に証明できたということです。

 その作用ですが、記事に寄れば、ビタミンCは強い抗酸化作用(酸化に抗うわけですから、酸化させない作用)を持っているようで、この作用により酸化ストレスが抑制されるので、そのストレスによって本来なら引き起こされる交感神経の働きが抑えられ、血圧が抑制されるということのようです。

 なんとなく分かったような分からないような説明ですが、要するに人間は体内に酸素を取り込み、この酸素は血液中の赤血球によって各細胞に運ばれ、さらに細胞内のミトコンドリアに渡されます。

 ミトコンドリアは、細胞内に運ばれた栄養素を、水とこの酸素を使って分解し、その途中でエネルギーを得ます。このエネルギーが我々の生命活動を担っています。

 ところがこの化学反応の過程で、大半は水になりますが、一部に過酸化水素が生じます。この過酸化水素は、読んで字のごとく酸素を多く含んでいるため、他の組織と反応しやすく、反応するとその組織に余分な酸素を渡します。これが酸化です。 (水の化学式はH2Oですが、過酸化水素はH2O2となり、酸素が一つ余分です)

 しかし酸素を渡された組織は、本来必要ない酸素をもらってしまったため、組織自体が変質します。これは体にとって良くないので、普通は細胞内に入っている「カタラーゼ」という酵素が、すぐにこの過酸化水素を水と酸素に分解してしまいます。(高校では豚の肝臓を使ってこの実験をよく行います)

 この時の化学反応式はひじょうに単純で、2H2O2 → 2H2O + O2 となります。この時反応を右側に進める勧めるために、カタラーゼが援助します。 

 で話を戻すと、ビタミンCにも、このような酸化を阻害するはたらきがあることが証明されたという事だと思います。

 このアメリカの大学の実験では、ビタミンCを静脈注射すると、平均7%の降圧効果が得られたと書かれていますから、これは大きいです。最高血圧150の人が140ぐらいに下がると言うことになります。

 実際の実験では高血圧患者に8日間、1日500mgのビタミンCを投与したら、最高血圧が約5mmHg、最低血圧が約2mmHg下がったそうです。

 数値としてはわずかなものですが、ビタミンCなら薬に頼る必要もなく、日常的に食べる食品から摂取する事が出来ます。

 一般的には果物、それも酸っぱいものが良さそうです。100gあたりのビタミンC含有量を比較すると、ゆずやレモンが大きいのですが、これらを100g食べるのは大変です。普通はイチゴや柑橘類が良いのではないでしょうか。

 また野菜類にも一杯入っていますから、やはり野菜を多めに食べることが健康の秘訣になるようです。



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