治療の効果を比較するのは難しい

ディオバンを減量した結果(2012.5.3)

 血圧ですが、立ちくらみがひどかったため、勝手な自己判断でディオバン80mgを分割して60mgにして飲み始めて3日たちました。だいたい今日あたりから薬の減量効果が出てくるのかなと思っていますが、時を同じくして天候が雨模様となり気温が低下していますので、その影響で血圧も少し上がるはずです。

 今日の朝は135/78ぐらいで、私にとっては過ごしやすい血圧ですが、3日前(115/70)と比べると若干上昇気味です。これが寒さによるものなのか、薬によるものなのか、もう少し見極めたいと思っています。

 しかし喘息にしても、血圧にしても、原因は何か、その原因によってどの程度症状が悪化したか、また治療によってどのくらい改善したかということを見極めるのがひじょうに難しいですね。

 何か新しいことをやって、その結果どうなったかということを見極めるためには、本来はまったく同じ条件の体を二つ用意して、一つは何もしない、もう一つは新しいことをする、と言うことによって効果が比較できるわけですが、まったく同じ条件の体を二つ用意することは不可能です。

 つまり私自身の場合で言えば、本来なら私を二人用意して、一人はディオバンを80mg、もう一人は60mgと分けて服用し、その後の血圧を追跡調査するというのが、もっとも確実な方法ですが、同じ条件の体は一つしかありませんから、もし飲んでいたらとか、もし飲んでいなかったらという仮定をするしかありません。

 その結果変化が現れたのは、薬の減量のせいかもしれないし、その他の気象条件かもしれないというあやふやな結論しか得られません 

 今回はこれが血圧の微妙な変動であったり、喘息症状を感じるか感じないかの差であったりしたわけで、基本的にはそれほど生命自体に大きな影響を及ぼしているとは思えませんが、そうではない場合が困ります。

 私の妻が悪性リンパ腫で入院していた時、最後の治療で抗ガン剤を続けるかどうか、という所で大変悩みました。症状は軽快しているものの、まだ悪性リンパ腫の残存細胞があると医師は言い、根絶させるタイミングは今しかないので治療を継続したいと言います。

 私は軽快しているこの状態から、さらに抗ガン剤治療を続ければ、本人の体力が持たないのではないかという疑念を持ち、治療を途中で中止しても良いのではと医師に伝えたのですが、結果的に本人も了承して治療が継続。

 最終的には私の疑念通り体力が回復しないまま帰らぬ人となってしまいました。しかし本人は一人しかいませんから治療を続けた場合と、治療を続けなかった場合を比較することが出来ません。

 治療を続けなければ、どこかの時点で再発して、さらに苦しい治療を行い最後は帰らぬ人となっていたかもしれません。いずれにしても、患者は一人しかいない。

 その患者に対して最良の治療をするためには、それまでの経験と最後は医師や患者、そしてそれを取り巻く家族のカンに頼らざるを得ないのが医療の現状かなと思っています。 
 



世界中で高血圧患者が急増


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