免疫力増加は健康な体が基本(2012.4.10)

 免疫力は個人個人で限界があって、それを長く使うか、一気に使い果たすかで寿命の長さが決まるような気もしますが、当然同じ老衰でも70歳ぐらいで体力の限界を迎える人もいれば、100歳を越えてまだ元気という人もいるわけですから、この免疫力も個人差があるのかもしれません。

 また同じ個人の中でも、元気な免疫細胞と不活性な免疫細胞が混在しているとも考えられます。

 人口ピラミッドのような統計的な考えをとれば、う〜んと元気な老成した免疫細胞もあれば、もうすでに息も絶え絶えの免疫細胞も同時に存在してるのではないかと言うことです。

 であるならば、免疫力をつけるということは、元気な免疫細胞がいつまでも活動できるような体内環境を整え、息も絶え絶えの免疫細胞に充分な栄養補給を行う、そしてこういった免疫細胞を作り出す組織「骨髄」と「胸腺」の活性化を考えればよい、ということになります。

 ではどうやったらそれが可能になるか、というのが最大の問題で、ここまで考えてくると「免疫力をつけるためにアレを食べた方がよい、これを飲んだ方がよい」というのは、あまりに安易、単純すぎる方法のように思います。

 変な話になりますが、免疫細胞はもとより、体細胞そのものに栄養分を与えているのは血液の流れが主になると思いますので、この流れが悪いと栄養が充分に行き届かなくなります。

 極端なことを言うと栄養不良という状態ですが、そこまでいかなくても、私のように高血圧だったり、コレステロールが多かったりするとこの流れは悪くなります。

 つまり日常の健康状態が悪いと、それだけで細胞への栄養補給が滞るわけで、健康状態が良ければ細胞への栄養が行き渡ることになって、結局健康な人はより健康で長寿になり、不健康な人はさらに自分自身で免疫力を減衰させ、不健康な体を作ってしまうと言うことになりそうです。

 健康だから免疫力が強いのか、免疫力が強いから健康なのかという、鶏と卵みたいな話になるわけですが、要するに車の両輪だと考えればいいわけです。

 であるなら良質の免疫力を確保するためには、日常的にストレスを減らし、適度な運動をし、規則正しい食生活や生活習慣を維持することが、一番免疫力増加に良い、ということになります。

 その上で、さらに、と考えたとき、免疫細胞を生産するために必要な栄養素は何かを考え、それを効率的に取り込むことができれば、さらなるアップが期待できるかもしれないな、というところまで考えました。

 巷に氾濫する免疫力増加を助ける、と称するサプリメントは多数ありますが、こういった背景を認識しないと、単に「お守り」や「精神的な安定」を得るためだけのものになってしまいそうです。



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