メラニン生成を抑制するロドデノール

カネボウ化粧品、美白効果で「まだら」に(2013.8.1)
 

 7月31日付けの毎日新聞の記事を見ています。タイトルは「「美白」花王の業績直撃」だそうですが、業績なんかより個々人への被害の大きさが気になっています。

 被害に遭った方は、この記事では6808人となっていますが、今日のネットの情報では8000人を越えたと言う記述もありました。さらに重症者は2000人以上と言うことで、大きな問題に発展しました。

 現在花王(カネボウ化粧品)は製品の自主回収を行っていますが、その対象商品は54商品だそうで、2008年に独自開発した「ロドデノール」という成分を含む商品だそうです。

 これらの美白化粧品ですが、紫外線や加齢によって肌に出来るシミを予防する効果があるとされています。ではどうやって予防するのかと言えば、シミの原因はメラニンの生成だそうで、これを抑制する作用があるとのことです。

 記事では7月4日の自主回収の報道以来、19日までに対象製品45万個の内36万個を回収したと書かれていますが、今日付の毎日新聞の社説では、この成分を含んだ製品は、すでに440万個も売れているそうで、この売れ行きが自主回収決断前の時間差を生んだと言えそうです。

 またこの製品はアジア10カ国でも販売されているそうで、今後国際的な問題に発展する可能性もあります。

 と言うのがこれまでの概要ですが、では何故こんな事が起きて、今後まだらになった肌は回復するのか?と言うことを誰でも知りたいのだと思います。

 そこで先ず「ロドデノール」とはいったいどんな成分か、というところから調べてみました。いつものようにウィキペディアを見ると、すでに健康被害の情報もまとめられていましたが、先ずは成分ですね。

 白樺の樹皮等に多く含まれている成分で有機化学の分野では「4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール」と呼ばれているそうです。化学式はC10H14O2だそうですが、構造式は書かれていませんでした。

 ただしヒドロキシフェノールはベンゼン環にOHが一つくっついたもので、そのベンゼン環内の他のCにブタノール(C4H9O)がくっついたものだと想像しています。

 一方シミの元になる「メラミン」ですが、皮膚の表皮最下層にあるメラノサイトで合成されます。ただ、その合成過程はひじょうに複雑です。(ウィキペディアのメラニンについての説明を読んでいます) 

 メラニンの原料は「チロシン」だそうで、これに「チロシナーゼ」という酵素が働き、そこから先は次々と反応が連鎖的に進み最終的にメラニンになります。カネボウによると同社のロドデノールは、この「チロシノーゼ」という酵素の働きを制御すると書かれています。

 要するに酵素の働きを弱くしてシミの生成を妨げようという事かなと思います。ただ上記のロドデノールがどのような化学反応によってこの酵素を制御するのかと言うことは触れられていません。ただし半年程度の臨床実験が行われているようで、そこで美白効果が確認されたとしています。

 さてでは何故マダラになるのか?写真を見ると白っぽくなっている部分が見えますが、この部分にかつてシミがあって、そこだけにこの商品を使用したとするならば、結果的に白くなったわけで、「効果がありすぎた」ためマダラになったとも言えそうです。

 もし顔全体に塗っていて、顔全体がマダラになったと言うことであれば、これは皮膚の方で、効き目があらわれやすい場所とあらわれにくい場所があったと言うことです。実際にはどうなのか?使用法が分からないので、ここから先はもう少し詳しい報道を待ちたいと思います。


薬を摂取する場所


サプリメント


表紙に戻る