健康食品の効き目を考える

薬が効く、効かないの判定は難しい(2013.11.24)


 薬にしても健康食品にしても、それが効いた効かないという判定はひじょうに難しいなと思っています。ここのところ書いている薬や健康食品の分子量についてですが、そのことを考えるきっかけになったのは私自身の鼻風邪です。

 鼻風邪が収まりつつあったとき、咳が頻繁に出るようになり、あまりに鬱陶しいので「カフコデN」を服用したところ、すぐに効果を表し、咳が減ったので、これは「よく効いた」と判断できました。

 一方例えば風邪をひいたとき、解熱剤なんかも飲むとすぐに効果をあらわし熱が下がってくることで、その効果を判定できますが、風邪そのものの症状は緩和されるだけで、治す効果はないというのが一般的な風邪薬の効果です。

 つまり病気そのものを治しているのは我々の体内にある免疫細胞であって、これらが活発に活動することによって治ることになります。ということは飲まなくても治るということになりそうです。

 ただし薬を飲むことによって症状は軽くなるので、治りが早まったという判断は出来るかもしれません。

 ところが治りが早かったということをきちんとしたデータで表すためには、薬を飲んで静養したときの治る期間と、薬を飲まなかったときに治る期間を較べなくてはいけません。

 しかし風邪をひいているのは一人の人間で、一人の人間に対して同一の風邪で、薬を飲んだ場合と飲まなかった場合の治癒期間を較べることは不可能です。

 他の時期に発症した別の風邪と較べれば良いというのが一番分かりやすい例ですが、時期や風邪の種類、症状が異なれば、当然以前にかかった風邪とは違いますので、比較することは出来ません。

 クドクド書いていますが、要は一人の人間に対して、薬を使った場合の効果と使わなかった場合の効果を同一条件で比較することは出来ないという結論になりますので、そうなるとある薬が効果を表したかどうかは判定できない、ということになってしまいます。

 実際の医療現場では、そういった個々人の治療期間を比較するのではなく、多数の似たような症状を示す患者さんに対して、薬を投与した場合としなかった場合を比較して、その効果を統計的に処理して、効く効かないを判定しているのだと思います。

 というわけで、薬の場合は多数の臨床データが存在すると言うことが、効く効かないの根拠になっているわけですが、健康食品の場合は、同一条件そのものの設定が難しそうです。

 つまり製品そのものの原料の産地がメーカーによってバラバラ。製法もいろいろ。さらに原材料以外に混ざっているものもいろいろあったり、用法や用量も異なっていると、それらの効果を比較することが出来ず、効いた効かないは、メーカー側の言い分や利用者の主観を信じるしかない、ということになりそうです。

 だから健康食品は効かない、というつもりはありませんが、効きそうなものを探すのは大変な努力(お金と時間)が必要だということになりそうだなと思っています。

 とはいうものの、ネットの情報で「これは効きます」と書いてあれば、何となく信じてみたい、という気持ちになるのも事実です。効く効かないの判定はつくづく難しいなと思います。


細胞膜の飲食作用


サプリメント


表紙に戻る