細胞膜の飲食作用

分子量が大きい物質でも吸収できる場合があります(2013.11.25)


 先日腸壁が吸収しやすい分子の大きさは、分子量が500以下、大きくても1000ぐらいまでではないかという記事を書きました。

 その後その事について生物関係の先生と話し合っていて、赤ちゃんの免役は母乳を通して親から遺伝するようだ、と言う話を聞き、だとすると免役に関係するタンパク質はどこかの細胞で吸収されていることになるなと思い、1000以上は吸収できないというのは間違いのような気がしてきました。

 そう思ってあらためて調べてみると、細胞膜の性質として、小さな分子の場合はその濃度差や細胞膜そのものにそなわっている一種のポンプのような働きによって、細胞の内外の濃度を調節していることが分かりました。

 ではタンパク質などの大きな分子はまったく透過できないのかというと、実はそうでもなさそうなことも判明。高校で使う生物の資料集には「飲食作用」という働きが参考として書かれていました。

 その内容ですが、一つは細胞膜の一部が中に折れ込んで袋を作り、その中に必要な物質を取りこみ、細胞内に運ぶという方法があるそうです。

 もう一つは細胞膜の一部が盛り上がり、必要な物質を取り囲み、その後内部に引き込むという方法です。前者は落とし穴ようなもので、後者は無理矢理引っ張り込む方法です。

 逆に細胞内に存在するタンパク質を放出する場合もあるそうですから、話はややこしくなります。

 しかしそんな話をしていて気がついたのは、どうやって細胞膜がその細胞に取ってそのタンパク質が必要かどうかを見分けているのかなという判別方法です。

 これは必要、あれは必要ない、という判断基準がないと、なんでもかんでも近くに来たタンパク質を取りこんでしまいそうです。

 当然分子の構造(顔つき)みたいなもので、それを判別していると思われますが、それでその判別の根拠となっているデータはどこから得たのか?

 先天的なものとして、ご先祖様からの遺伝情報の一つとしてそのデータを持っているとすると、そのデータにない、人間の手によって化学的に新しく合成されたような有機物は判断基準がない、と言うことになりそうです。

 一方後天的なものなら、食べたものの中から有用そうな物を取りこんで使ってみて判断し、それをデータとして蓄えると言うことになりますが、そうなるとすべての細胞が同じデータを共有するというわけにはいかないような気もします。

 どちらが正しいの現段階では私にはさっぱり分かりませんが、そもそもこういった物質の透過が、60兆個もある体内の細胞の一つ一つで自動的に日夜行われているわけで、そう考えると生命とは何とも複雑精緻なメカニズムだなと思えます。

 というわけで結論めいたものは出せないのですが、体にとって有用なタンパク質の場合は、細胞が判断して無理矢理それを取りこむことも出来る、と言うのが新しい知識としく加わりました。


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