健康食品への名誉教授のコメント

「プロポリスががんに効く 藤田名誉教授を書類送検(2014.3.11)


 STAP細胞の研究論文に使用された画像が、他の論文の画像と酷似していると話題になり、ノーベル賞ものの画期的な発見だったはずのものが、論文取り下げになるかもという事態にまで発展しています。

 意図的にやったのではないと信じたいものですが、目下の所は疑問点ばかりが出てくるようで、この先どうなるのか注目しています。

 一方STAP細胞の場合は画像が似ているという疑義ですが、ヤフーで配信している朝日新聞のニュースを見ていたら、《「プロポリス、がんに効く」 藤田名誉教授を書類送検》、と言う記事があってびっくり。

 記事の中にも書かれていますが、この方は寄生虫学の専門家で、カイチューについての著書が何冊かある有名な方です。

 その有名な方が、記事に寄れば「効能は自分では裏付けていないが、他人の研究を読んで原稿を書いた」と話しているようで、その他人の研究というのがどういうものか知りたいなとも思います。

 しかしその研究を知らなくても、そういった他人の研究結果をあたかも自分の意見のように考えて、「プロポリスは副作用もなくガン細胞が自滅する」という効能を書いたと言うことですから、「こんな有名な人が何でそんな子とするの?」と不思議です。

 この効能書きを依頼したのは「シャブロン」というプロポリス商品の販売会社で、すでに女性社長は薬事法違反で逮捕され、容疑も認めているようです。

 この会社の4年間の売り上げは28億7500万円だったということですから、何とか治したいというガン患者さんの気持ちを逆手にとって、有名な教授のコメントを紹介し、売り上げを伸ばしたと考えられそうです。

 根拠も薄弱な他人の研究結果を自分のコメントにすり替えるような教授の考え方も不愉快ですし、そういった有名人のコメントをつけて売り上げを伸ばそうと画策した会社の社長にも大きな問題がありそうです。

 しかし、巷の健康食品の販売で、ネットを見ていると、こういったどこどこ大学の名誉教授がコメントを載せている例というのはひじょうに多いです。

 一時期、この人はいったいどんな人なんだろうと、ある教授の名前をネットで検索してみたことがありますが、そんな名前はどこにも出てきませんでした。

 架空の人物ではないとは思うのですが、結構高齢の、上記と同じ名誉教授みたいな職名の方のコメントが多いように思います。

 もちろん信用できるコメントもあるのだと思いますが、信用出来るか出来ないかというのは、消費者側にその商品や研究内容に対する充分な知識がないと判断できません。

 普通は「こんな有名な人が効くと言っているのだから・・・」という判断になってしまいます。その意味では、お金に余裕があって、摂取することによって精神的にも落ち着くという人は別として、一般的には、消費者側も対象物に対して充分な知識が必要なんだろうなと思っています。

 ただし我が家の連れの時もそうでしたが、切羽詰まってくると、ともかく医療の効きをより効果的にするために健康食品をと考える消費者側の発想は当たり前だと思います。

 その意味で、充分な調査もしないでコメントを書いた今回の藤田名誉教授の罪は、患者側の気持ちを逆なでするものであり、書類送検ぐらいで良いのかなという気もします。


地道な努力


サプリメント


表紙に戻る