松葉杖の使用、痛風の原因

 病院からは松葉杖を貸してもらいました。

 こんなものにすがるのは初めての経験です。病院内で簡単なレクチャーがありました。それによると、杖は脇の下で支えるのではなく、あくまで両手で杖の中心部を持ち、そこで支えるのだと言うことでした。

 要するに脇は杖がぶれないようにするぐらいの役割しかないようです。従って杖を脇の下にはさんだとき、杖を持つ部分がちょうど手の位置に来るように、調節しなければなリません。

 看護士さんに、杖の調節をしてもらい、病院内の通路を歩いてみました。「なるほどこんな感じなのか、意外に歩けるもんだな」とは思いましたが、たかだか数m歩いただけですから、それほど偉そうなことは言えません。

 しかも平地は良いのですが、階段の上り下りががとんでもなく難しいと言うことに気がつきました。上りは、コツさえつかめばなんとかなります。

 ところが数段降りようとして、上から階段を眺めたとき、ものすごい恐怖感があります。杖だけを一段下に降ろして、次に体を降ろすわけですが、バランスをくずして、そのまま階段下まで転がっていきそうで、足を踏み出すことが出来ません。

 結局階段の上り下りは、痛みさえ薄らげば、片足で上り下りをした方が精神的に楽だと思えるような状態になりました。つまり杖を小脇に持って、もう片方の手で手すりをつかみ、片足でぴょんぴょん上ったり下りたりするわけです。
 というわけで、練習を兼ねて病院駐車場まで松葉杖で移動。車までなんとか無事にたどり着き、家にもどってきました。すぐに痛み止めを服用。幸いにもしばらくすると痛みは治まってきましたが、もちろん歩けるほどではありません。

 一方、足の腫れはさらにひどくなってきました。なかなか文章では表現できないのですが、皮膚がぱんぱんに膨らみ、足全体がまん丸こいボールのような状態です。

 このままはじけちゃうんではないかと思われるような腫れです。しかし医師の治るという言葉を信じて、じっと耐えるしかありません。

 若干痛みがひいてきた頃、ネットで改めて「痛風」という病気の原因、症状、予兆、対策なんぞを調べてみました。

 そもそも痛風の原因とは何か。こんなときにネットは便利です。ちょっと検索をかけると膨大な数のサイトがヒット。様々な体験記もあり、皆さん一様に強烈な痛さを訴えているところは同じです。

 結構若い方でも痛風になることがあるようで、認識を新たにしました。

 さて、原因ですが基本的には「尿酸」という物質が血液中に増加したとき、それが関節で尿酸ナトリウムという結晶になり、その結晶を攻撃するための自己免疫によって、炎症、腫れが起きるようです。

 ということは尿酸を減らせばいいわけですが、そのために尿酸という物質が体内で、なぜどのように作られるのかも調べてみました。

 尿酸そのものは白色、無味、無臭の物質で、尿という字が入っているので、なんか刺激臭のイメージがありますがそうではありません。

 で、どうしてこれが体内で作られるのかというと、細胞が老化し壊れていくときや、細胞内で行われるエネルギー代謝に伴って作られます。

 従って、どんなに嫌な物質でも、普通に生活している限り尿酸は体内で作られ続けます。ではその体内の尿酸はどうなるかというと、人間の体内では分解することが出来ず、普通は腎臓で尿と一緒に排出されます。

 従って普通に生活している分には、生産と排出のバランスが整えられていて、体内に多量の尿酸が溢れるようなことはありません。

 ところがいくつかの原因が重なると体内の尿酸が増え続け、腎臓での排出が間に合わなくなります。その結果体内の尿酸量が増えていきます。

 それだけならまだいいのですが、この尿酸が血液中のナトリウムと仲がよいらしく、尿酸ナトリウムという物質を作ります。というわけでめでたく痛風患者の出現です。



さらに原因を追究


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