運動と細胞のはたらきの関係

運動と栄養の必要性(2012.11.25)

 体力を維持するためにウォーキングや自転車、ラジオ体操その他の運動を日頃から心がけていると、それが実は老化防止にもつながるんだという視点でまとめてきました。

 では、なぜ運動と食事が老化防止に役立つのか。一般的には当たり前だと思われていることですが、では運動しないで食事も最低限のものしか摂らなければ、体はどんどん老化(衰弱ではなく)してしまうのか、と言うことが気になりました。

 ほとんど何もしないでただひたすら瞑想をしているという姿は仙人を思い浮かべます。仙人の定義は中国に寄るところが大きいみたいで、「仙境で暮らし、仙術をあやつり、不老不死を得た人」(ウィキペディアより)だそうです。

 仙境とは高い山のイメージですね。仙術とは修行で得た術のことですが、ウィキペディアでは薬草作り、呼吸、食事等が中心になるみたいで、これらの方法を駆使して不老不死を目指すということでしょうか。

 面白いのはやはり呼吸と食事ですね。つまり現代的に言えばより深く体の奥底まで酸素を取り入れる方法であり、食事とは体にとって最も良いと思われる栄養素を取得すると言うことだと思います。

 早い話が、これまで書いてきたウォーキングや自転車による有酸素運動質の食事が仙人の領域に近づく方法だということです。

 では何故有酸素運動と良質の食事がいいのか?当たり前じゃないかと言うのは簡単ですが、分子生物学の分野まで含めて答えるのはかなり難しいような気もします。

 しかしすぐに分かることもあります。酸素は肺に入り血液中の赤血球に含まれているヘモグロビンと結合し、体の隅々に運ばれると言うことが一つ。

 もう一つ、口から取りこんだ良質の食べ物は腸で吸収され、それが血液中の血しょうに溶かされ、やはり酸素同様、体の末端に運ばれると言うことです。

 では末端に運ばれた酸素と栄養分はどうなるかというと、末端では毛細血管から酸素が放出され、毛細血管を取り巻く組織液に溶け込み、最終的にはそれが細胞膜を通過し、細胞内に入ると言うことです。

 また栄養素も血しょうそのものが組織液となり毛細血管から沁みだし、それが細胞膜表面に達すると栄養分が細胞内に取りこまれます。

 さて問題はその先ですね。細胞内にはがあって、その中に遺伝子が含まれています。この遺伝子の指令によって、細胞は分裂したり休憩したりするわけですが、分裂時には自分と同じものをもう1個作らなければなりませんから、その材料が必要になります。

 それが先ほど取りこんだ栄養素だと言えます。ただし栄養素があっても、それを合成分解して都合の良い物質に作り替えるためにはエネルギーが必要です。そのエネルギーはミトコンドリアが作り出していますが、ミトコンドリアが元気にエネルギーを作り出すために酸素が必要だと言うことです。

 つまり1個の細胞の中に、司令室とエネルギーを作り出す機関と合成工場が同居していると言うことです。



血液の重要性


老化関連


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