血管の強さは想像以上

mmHgという単位と、血管の強さ(2015.11.17)

 圧力の単位には何種類もあって混乱しやすいし、実際問題圧力とは何かと言うイメージも分かりにくいなと思って昨日の記事を書きました。今日はその延長上で、血圧を計る単位として使われているmmHgの話です。

 この単位の前半、mmは文字通り長さの単位でミリメートルを表しています。では後半のHgとは何か。これは化学の分野で扱う元素記号をあらわしていて、その元素とは水銀のことです。

 ちなみに英語では「mercury」でHgと関係しません。どうやらHgはラテン語「hydrargyrum」という単語に由来しているようです。

 でこの水銀ですが、今はほとんど見かけなくなりましたが、昔は体温計に使われていました。銀色の液体で、これがビンに入ったものが高校あたりの化学実験室の奥のほうに保管されていることがたまにあるのですが、持ってみるとものすごく重いです。

 当たり前ですが、水銀というは金属の一種で電気も通します。ただ日常生活の気温の中では液体として存在する珍しい金属です。また水銀中毒と言われるように人体にとっては有害な物質です。

 昔の血圧計は、この水銀を使って測定していました。その目もりにmmHgという単位が使われているのですが、通常の1気圧という大きさの圧力は、この単位では760mmHgという数字になります。(なぜ760なのかの説明は省略します)

 つまり「今日は血圧が高いぞ、上が190もある」という表現は、190mmHgに相当しますので、大気の圧力で考えると760の4分の1が190になるので、要するに0.25気圧に相当します。

 同様に、下の血圧が今日は調子が良くて76だと言うと、これは0.1気圧に相当すると言うことになります。

 というわけで、これが血圧の単位のはまとめになるのですが、そうはいっても0.1気圧と言う圧力がどのくらいかは良く分からないです。昨日の話で考えるt、1気圧は1cm2あたりに1kgの重さがかかっていることになりますから、0.1気圧なら100g程度になります。

 しかしこれは面積が1cm2かかる重さで、例えば手のひらの面積が10×10=100cm2だったとすると、100倍の10kgになりますから、0.1気圧というのは、手のひらで10kgの錘を支えているイメージになります。

 そういった力が、血管の内側から外に向かって働いているというイメージでしょうか?血圧が高くなると血管に悪影響を及ぼすと言う意味が少しですが分かるような気もします。

 というわけで次回は何故そんなすごい力が働いているのかという原因の話です。



心臓の拍動


高血圧の基礎


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