心臓の拍動は1年で3700万回

血圧が生じる原因は心臓(2015.11.18)

 血液は体の中を循環しています。人間一人の血液の総量は、ネットで調べると4.5L程度と書かれています。これが血管というパイプの中に詰まっています。

 ただしこの血管は一様な太さではなく、心臓を出発するとき血管の太さは数cmで、それが無数に枝別れして、最後は毛細血管となり、組織内に溶け込むような形になります。

 しかし素晴らしいことに、この網の目のように張り巡らされた血管網は、組織の末端から再び折り返して、徐々にその血管の直径を太くして心臓に戻ってきます。

 行きの血管を動脈、帰りを静脈と呼んでいて、行きは酸素や栄養分をたっぷり含み、帰りは二酸化炭素と老廃物を含んで戻ってきます。途中に肝臓のような栄養分保管所があったり、腎臓のような老廃物処理工場があったりしますが、とりあえずここでは、一種の体内を巡る血管のループみたいなものを頭の中に描きます。

 しつこいようですが、出発点は心臓。心臓には四つの部屋がありますが、心臓そのものの大きさは握りこぶし1個分と言われていますが、その体積は300mL程度のようです。

 人の場合、この心臓は4つの部屋に分かれていて、それぞれの体積はほぼ同じぐらいです。従って1回の拍動で血液を送り出す量はだいたい70mL前後と考えて良さそうです。

 ということは、仮に脈拍を1分間に70回と仮定すると、心臓から送り出される総血液量は70ml × 70回=4900mL=4.9Lと言うことになります。

 従って、血液の総量は4.5L程度ですから、今まさに心臓を出発した新しい動脈血は、1分後に静脈血となって戻ってくるという計算になります。そう考えると、心臓の力と言うのはものすごいものだなと思います。

 一方、この心臓が1分間に70回拍動するなら、1時間で70×60=4200回。1日で4200×24=100800回拍動を繰り返しているということになります。

 さらに365日を掛け算すれば1年の拍動数となり、これが約3700万回です。生まれてから60生きてきた人の心臓はそれまでに22億回拍動しているという途方もない数値になります。

 そしてこの拍動が血圧を生じる原因になっているわけです。 



心臓の構造と灯油ポンプ


高血圧の基礎


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