コレステロール、体重と血圧

血液の特性と心臓の関係(2015.11.22)

 血管というのはひじょうに薄い弾力性のある膜のようなもので出来ていて、その周りを筋肉や脂肪、腱、その他の組織が取り囲んでいる構造だと思っています。

 血管内を流れる血液には赤血球や血小板等の血球成分が含まれ、それが血しょうという液体成分の中に浮かんでいるイメージでしょうか。また血しょう内にもたんぱく質や有機物、無機物が含まれています。

 ということは、ひじょうにいい加減なイメージですが、例えば具を取り去った味噌汁みたいな状態と言えそうです。具を取り去っても味噌汁の色は相変わらず味噌汁の色をしていますから、そこに含まれているものが血しょうに溶け込んでいる物質と言うことになります。

 一方お椀をず〜っとテーブル上に置いておくと、味噌の残りが底の方に滞留しているのを見ることが出来ますが、これが実は血球成分であるといえそうです。

 実際血液検査等で採血された血液を放置しておくと、血液はこの固形成分が底の方にたまり、上の方に血しょう成分が表れます。

 何を言いたいのかといえば、要するに血液と言うのは通常の水とは違って、いろいろな成分を含んだ液体だということです。ただし水との比率はそれほど大きなものではなく1.05倍程度のようです。

 ちなみに血液が水より重くなっている大半の原因は、基本的に赤血球数にあります。もちろん数だけでなく、赤血球の大きさや、内部のヘモグロビン等、いろいろな特性がありますので、数だけでは判断できず、血液検査ではいろいろな数値が示されます。

 というわけで、血液は水に比べていろいろな成分が溶けていて、水より若干ですが重い液体と言うことになり、心臓はこの血液を送り出す役割を担っているということになります。

 当然ながら、同じポンプを使った場合、送られる液体が軽かったり、全体の体積が少ない方がポンプの負担は軽くなります。つまり軽やかに動くと言うことです。

 しかし比重の高い血液、世に言うドロドロ血液というイメージで考えると良いのかもしれませんが、だと心臓の負担は重くなり、必死に動くことになります。つまり血圧が上がります。

 また体重が増えれば血液量も増えるわけで、そうなるとこれまた必死に心臓がはたらかないと血液が組織末端まで行き渡らないと言うことになりそうです。

 というわけで、高血圧の人はコレステロールは少ない方が良いとか、体重は出来れば減らした方が良い、という結論になるように思います。



赤血球の大きさと形


高血圧の基礎


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