赤血球が通り抜けやすい血管

赤血球の大きさ、形、柔軟性と毛細血管(2015.11.23)

 血管というのは、同じ直径をしたパイプが体の中を通っているではなく、、心臓から出る大動脈の血管は直径が数cmあり、それが徐々に枝分かれして、末端では赤血球1個が、体をくねらして通過できるような毛細血管になります。

 赤血球の大きさと言うか直径は、手元の資料(高校の授業で使う生物の資料集です)に6〜9マイクロメートル(ミクロン)と書かれています。1マイクロメートルのマイクロと言うのは10のマイナス6乗をあらわしていますので、1マイクロメートルと言うのは、1メートルの100万分の1という長さになります。

 1ミリメートルは1000分の1ですから、そのさらに1000分の1が1マイクロメートルです。従って仮に赤血球の直径をあえて分かりやすく10マイクロメートルと読み替えれば、これは0.01ミリメートルという大きさになります。

 これは通常の定規の一番小さいメモリを100等分した長さですから、まあ当たり前ですが、目が赤血球を識別することは不可能です。ただ100倍の顕微鏡なら、計算上1ミリメートルになりますから、形を見ることは可能だと思います。

 赤血球の形はドーナツ状をしています。ただしドーナツのように中央に穴が開いているのではなく、真ん中が少し凹んでいるだけです。どうしてこんな形になっているのかというと、

1 この形によって、球体よりも表面積を増やし、組織末端で酸素と二酸化炭素を交換しやすくする。つまりやり取りする面積を広げることによって、呼吸の効率を上げていると言うことです。

2 もう一つが、この形にして柔軟性を持たせることにより、毛細血管に進んだとき、自らの体を多少折り曲げたりして通過する場合がある。

ということのようです。

 つまり組織末端の毛細血管内では、体を縮こまらせた赤血球が次から次へと通過していくというイメージでしょうか。昔の障害物競走では、はしごを潜り抜けるなんて言う障害がありましたが、あれと似ているなと思います。

 当然ながら仮に妙に膨張した赤血球があったり、柔軟性の乏しい赤血球だったり、赤血球同士がコレステロール等によってくっついた状態になっていると、毛細血管を通りにくくなります。

 すると組織末端から「酸素が足りない」という悲鳴が発せられ、それが脳から心臓に伝わり、「もっと血圧を上げて、無理やり通過させろ」と言うことになるのかなと思いますが、当然こうなれば血圧は上昇することになります。



高いほうの血圧


高血圧の基礎


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