血管内壁の状態が問題

血管内皮細胞の働きが悪いと血圧が上昇(2015.12.5)

 年をとると、それだけで血圧が上がると言います。その理由は何なのか?それを考える前に、先ず加齢によってどの程度血圧が上がるのかの表を探してみました。結果は以下の通り。

20代 30代 40代 50代 60代 70代
男性 118/75 125/79 131/84 138/85 143/84 147/80
女性 113/76 115/71 125/77 133/81 141/81 146/78

 数字の羅列を見ると分かりにくいのですが、「へえ〜!」と思ったことが一つ。それは上の血圧は年齢とともに上昇していますが、下の血圧のピークは50代で、それ以後は下がる傾向に見えます。

 どうしてこんなことが起こるのか?これについてもいずれ考えたいと思いますが、先ず上の血圧です。一般的に年を取ると血圧が上がると言われていますが、この表現の意味は「上の血圧」に該当することになります。

 ではなぜ年を取ると上の血圧が上がるのか。これは内的要因の血管の柔軟性のことだと思います。しかし「年を取ると血管の柔軟性が失われるので血圧が上がる」とかいてあるページはたくさんありますが、「なぜ柔軟性が失われるのか」を説明したページが見当たりません。

 またそもそも血管の柔軟性とはどういうことを意味するのか?血管壁を構成しているのは、細胞ですから、柔軟性を血圧によって血管が太くなったり細くなったりするというイメージでとらえると、それは細胞自体が変形することを意味するように思えます。

 しかしなんか変だなと思ったので、加齢による血管の変化という語句でネットを調べてみると、「血管内皮細胞」というのがあって、この働きが血管の柔軟性を維持しているようです。

 そこでさらにこの細胞について調べてみると、どうやらこの細胞は血管内のオイルのような役目をしているようです。つまり若い時はこの細胞が元気で、血管内がすべすべしているので、その中を血液がさ〜っと流れていくというイメージでしょうか。

 ところが加齢とともに、この細胞の働きが衰えてくると、川の岸辺にごみがたまって、そこで川の水がせき止められるように、血管内壁に余計な物質がくっついてしまい、さーっと流れていた血液があちこちで滞るということになりそうです。

 しかし組織の末端細胞には酸素を供給しないといけないので、脳がその滞った血流状況を察知して、汚れを押し流す勢いで血液を送り出すことになり、これが血圧上昇につながっているような気がします。



血管内皮細胞の変形


高血圧の基礎


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