血管内皮細胞が変形して、血圧の急激な変化を緩和(2015.12.6)
昨日の記事を読み返して思ったことですが、やはり血管の柔軟性という部分が気になります。結局曲がりくねった血管の中をコレステロールや血球を含んだ血液が通っていくわけです。
この時単純に水が流れるようにス〜っと血液が流れていけばいいわけですが、この流れは上流部にある心臓によってコントロールされていて、周期的にガツンガツンと血液が押し出されてくるイメージになります。
この周期的な振動を伴う流れが、管の中を抵抗なく流れてくためには、三つほど条件があるような気がします。そのうちの一つが昨日書いた血管内壁の滑らかさです。
そしてもう一つが流れている血液そのもの粘度です。つまり同じ血液であっても、液体部分が粘っこかったり、含まれている血球がくっついてしまったりすると、流れが滞りやすくなります。
最後が血管内壁細胞の変形や伸縮性、そしてそれを取り巻く組織の柔軟性が関係しているように思えてきました。なぜそう思ったかといえば、寒くなると血圧が上がる傾向があるからです。一般的には寒いと、皮膚表面近くを流れる血管が収縮し、体温を逃がさないようにすると言われています。
その結果血圧が上がるわけですが、だとすれば血管が収縮するわけですから、これは細胞が変形しないと実現できません。
というわけで血管内壁細胞やその周辺の細胞が心臓の拍動にともなって変形し、血液が押し出されてくる圧力をうけとめているのではないかと思われます。
ということはこの変形の度合いが小さくなることによって、血圧が高くなるということであり、使い古したバネが徐々に柔軟性を失う現象と同じことが、かれいにとも細胞レベルで起きているということになります。
これは車のサスペンションなんかで例えてもいいのかなと思いますが、昔の車は古くなるとサスペンションが固くなり、乗り心地が悪くなりました。それと同じなんだろうなと思います。
ついでながらこの記事を書くにあたってネットを見ていたら「血管内皮細胞の変形の様子を可視化!」という研究発表がありました。内容を一応読んでみましたが、私にはよく理解できませんでした。
ただ血管内皮細胞がこの研究によって実際に変形して血液の流れの圧力を緩和しているということは理解できました。