降圧剤の服用と生活指導

2018.2.18

 我が家の小さな庭の片隅に、最近になって水仙とチューリップの芽が出てきました。いつもより芽が出始めるのが遅いような気もするのですが、ようやく出てきたかという感じです。

 水仙にしろチューリップにしろ、植えてから10年ぐらいたっているのですが、毎年この時期になると顔を出し始めるので、「よしよし良く1年間土の中で我慢したな」といとおしく感じられます。

 気温の方も、日中は10℃前後まで上がるようになり、風がないときはなるべく出歩くようにしていますが、今日はちょっと北風が強くてウォーキングはめげました。

 健康関連ニュースをチェックしていたら、産経ニュースに「季節によって変動する血圧値」という記事が出ていました。興味深いのは夏と冬の血圧の差ですね。

 5万人参加の家庭で測定した血圧の値だそうですが、朝の収縮期血圧(つまり高い方です)の値を夏と冬で比較した結果、だいたい7mmHgの変動があるみたいです。

 当然ながら寒い冬の方が高くなるわけですが、ということは夏場は130/80程度の血圧だった人は、冬になると137/87になるということです。

 一方血圧は1日のうちでも、体を取り巻く自然環境や自身の感情の動きやストレス、運動等で、簡単にプラスマイナス10〜20mmHgぐらい変動しますから上記の血圧の人でも測定した時間によっては150/95といった高血圧の値が示されることもあります。

 たまたまそういった血圧上昇時に、体調不良を感じて医者に行くと、「血圧が高いですね。降圧剤を出しましょう」ということになり、そこから先降圧剤を飲み続けるということになります。

 私の場合は仕事のストレスで暴飲暴食気味になり、体重も増加し血圧も上がったと思っていますが、医者に行ったらストレスや食事の状況等が問診されることもなく、ものの5分で高血圧患者に仕立て上げられ、以後30年以上降圧剤を飲み続けることになりました。

 いまだに悔しいなと思うのは、あの時医者がもう少し私の血圧上昇の原因を話し合いできちんと説明し、食事の改善、ストレスとの関係等のアドバイスを行ってくれたらということです。

 医者の方も「忙しい」という現状があるのかもしれませんが、血圧測定の数値だけ見て、生活指導を全くせずに降圧剤を処方するのでは、いささか安易すぎると批判されてもしょうがないような気がします。

 最近になって高血圧対策が叫ばれるようになり、巷には高血圧の原因分析と対処療法の書籍が氾濫しています。ともかく高齢社会になって、今や高血圧患者は1000万人を越えているそうですから、医療現場では薬だけでない適性な高血圧指導が必要だなと思っています。


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